「自閉症のパニックについて」いつ起こるのか?その対処方法

自閉症の人に起こる特徴として、混乱した時などに暴れだしたり叫びだしたりする「パニック」があります。
これはどのような時に起こるのでしょうか?個々に差はありますが、共通するのはパニックのきっかけです。
そのきっかけと、その対処法についてお話したいと思います。
自閉症の人にパニックが起きるきっかけは?
人は初めての場所や、初めての人と会う時など「はじめてのこと」に対して、多少の緊張や抵抗を感じます。
それと同様、自閉症の人たちにもその感覚はあるのですが、彼らは私たちよりも感覚が過敏なため、さらに緊張や抵抗を大きく感じます。
例えば、快適に楽しめるテレビの音量がボリューム10の状況が、自閉症の人たちにはボリューム50で聞こえてしまう、というくらいの違いがあるのです。
また、普段過ごしている学校のクラス内や、何度も出かけたことがある店内などでも、人の話す声・音楽・物が重なり合う音などすべての音を拾い集めてしまい、頭が混乱するような感覚になります。
体調や心が安定している時にはさほど気にせず過ごせることもあるのですが、本人の気持ちが不安定であれば緊張を感じやすくなる場合があります。
そのような状態の時、周囲のあらゆる外的要因の刺激を受けて、自分の気持ちを心で処理しきれずパニック状態になります。
自閉症児がパニックになってしまった時はどう対処したらいいのか
パニックになってしまい、泣いたり暴れたり自傷行為を始めたら、こちらの言葉での指示は通りにくくなります。
その場合は口で言いきかせることは逆効果です。
その注意の文言をオウム返しして、どんどん泣き叫ぶことがエスカレートしてしまいます。
そんな時は、そっと手をひいてその場所からいったん離れることをオススメします。
彼らにとっては、場面が切り替わることで視覚的に変化があると気持ちの切り替えがしやすくなります。
また、声のトーンを低くして声をかけてあげることも重要です。
自閉症の人たちは、ある一定の高さの音から受け付けづらく、不快な音と認識してしまうことがあります。
声のトーンは支援者にとってもとても大切なキーです。
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それでも落ち着かない場合や、大パニックになってしまった場合の対処法
大パニックになった時は、まずは抱きしめてあげましょう。
可能な場合はうつぶせにして寝かせて背中をトントンと優しくたたいてあげて泣き止むのを待つことが有効です。
極度の緊張状態からパニックになっているので、緊張をほぐしてあげることをしてあげると良いでしょう。
親からしてみれば、泣いて周囲に迷惑をかけるように思えても、本人にとってはとても悲しく辛い状態なのです。
気持ちの切り替えが出来やすいように、支援する側は一刻も早く気持ちを切り替えてサポートしてあげて下さい。
まとめ
発達障碍児や自閉症の子どもたちは、一度パニックになったら、優しく声を掛けてもおさまりません。
まずは視覚情報として場所を変えたり、一番の理解者である母親がギュッと抱きしめる、またはうつぶせにして少し暗い環境にして、背中をさすってあげるかトントンして、落ち着くのを待つしかありません。
この時、高い声での声掛けは禁物です。
パニックの時は特に聴覚も過敏になっているので、低い声で声かけを心がける事も大切です。