自閉症は遺伝するの?兄弟に遺伝や男女比はあるの?妊娠前に判断できないの?

自閉症は先天的な発達障害の一つで、社会性と対人関係の障害、コミュニケーションや言葉の発達の遅れ、行動や興味の偏りの3つの特徴があると言われています。
自閉症の歴史はまだ浅く、医学的にも原因を特定できていないのが現状と言われています。
「もしかしたら脳のこのあたりの異常が原因かもしれない」というまでは研究発表されていますが、まだ未知なる部分も多いです。
親から子供への遺伝
障害の遺伝性も明確にはされていないのが現状だそうです。
研究で自閉症は複数の遺伝子の変化が影響して起こる「多因子遺伝疾患」であることも推測されています。
つまり親の遺伝子が子どもに遺伝して自閉症になるわけではないということなのです。
自閉症の遺伝要因は原因の一部にすぎず、自閉症を持っている親から、自閉症ではない子どもが生まれることもあれば、両親とも健常でも自閉症のある子どもが生まれることもあるのです。
遺伝する確率については、現在のところ不明です。親が自閉症だった場合で子どもも自閉症である確率も、調査によって数値はバラバラで明確な結果は出ていないそうです。
このことも、遺伝要因と環境要因の相互影響が複雑で、偶然性に左右される部分が多いことを示唆していると言えます。
親は自分が自閉症である事に気づかず、子供を産み、その子は定期的な検診により見つかる事により、母親も検査を行うとそうであった。というケースも最近は増えてきているそうです。
そういう意味では、やはり遺伝する確率もまだまだ不明な事が多いようです。
兄弟の自閉症の確率
一卵双生児の症例では94%の確率で二人とも同じ自閉症を持つと報告があるように、遺伝的な関係というのはぬぐい取れないのが現状です。
しかし、一人目が自閉症だったからと、その遺伝をそのまま次の子が持って生まれるわけではありません。
それぞれに違う特徴があるように、自閉症も特徴の一つなのかもしれません。
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自閉症児は男児が多い?その比率とは?
自閉症は男性の発現率が女性に比べ高い傾向があると言われているそうです。
男性と女性では脳の構造が違うことや、染色体の違いから、男性の方が自閉症の発生率が高いのではないかという説もありますが、原因はまだはっきり分かっていないそうです。
男性の場合もともと女性に比べて、発語が遅かったりコミュニケーションが苦手だったりするのに対し、女性は社交的で言葉も早くから話します。
このもともとの違いも関係があるのかもしれません。
自閉所の男女比としては4:1とも言われていますが、女性の場合軽度な人が多く見つかっていないため、このような比率になっているという説もあるようです。
出産前に自閉症を検査する方法はあるの?
妊娠前に様々な検査を行う事はできますが、現在の医学では出生前診断で自閉症を判明する事はできません。
また、出生後も遺伝子検査や血液検査といった生理学的な検査でも分かりません。
自閉症の原因が完全には解明されいない事にあり、またその原因も複雑で単一ではないと考えられるためです。
生理学的な検査方法を確立するのはかなり難しいとも言われています。
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自閉症の診断方法
自閉症の人の多くが幼児の頃から12歳ぐらいに何らかの症状をきっかけに専門機関を受診し、医師によって自閉症だと診断さる事が殆どです。
または周りに気づかれずに、苦しみながらもそのまま成人になる人も少なくありません。
診断は問診と心理検査・知能検査などの様々な検査を総合的に判断して行われます。
その他MRIを使い脳の器質的な疾病がないかを確認する場合もあります。検査や診察は一度ではなく、何度か行われたうえで慎重に診断が下されることが多いです。
自閉症に早く気づいてあげる大切さ
自閉症は早期に症状に気づき、早期に療育や環境調整といった支援を始めることで、本人の生きづらさがかなり緩和できることがわかっています。
そして、最近は自閉症の理解も深まってきています。
個々のケースにとって原因をあれこれと追及し悩むことは、子どもの成長や支援にとっては有益ではないかもしれません。
周りや本人が適切な対処法を学ぶことによって、どうすれば本人にとって生きやすい環境が作れるかを考えていく事がとても大切だと思います。
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しつけ不足ではない
幼少期は言葉が遅い・多動・落ち着きがないなど健常の子どもとの違いが目に付く場面にて「親がきちんとしつけが出来ていないのでは」という世間の目を感じてしまうこともあると思います。
健常な側から見れば枠に外れた自閉症児の行動も、彼らにとってはその中の世界での表現です。
決してしつけが出来ていないわけではなく、自閉症の特性なのです。
その子を守ってあげるのは親しかいません。
その子を理解してもらうためにしっかり説明をしていく事も大切な役割です。