子供が自閉症と診断されたご家族へ

今回は、少し初診に戻って「自閉症」と診断されたご両親・ご家族へ向けて書きたいと思います。
親は子供のために出来る事を必死でしようと思いますが、そんな事は長続きしません。
そんなお母さんやお父さんに向けて届けます。
自閉症と診断されたら
障害の診断がされたばかりの時は、母親は「自分の責任ではないか」「健常に産んであげられなかった」等自分を責めてしまう人も少なくはありません。

支援者である親は「なぜ自閉症になったのか」という原因を考えたくなります。
それよりも、前を見て気持ちを切り替えて早めに療育にとりかかるのが得策です。
それが愛する我が子が社会で受け入れられて、一人でも活躍出来るようにする方法でもあります。
色々な事を考えていても元には戻りません。
辛いとは思いますが、愛する我が子の未来のため将来のために親として出来る事を考える事が大切なのです。
そんな時に一人では悩まず、相談できる場所を活用して、その子にとってより良い方法を一緒に見つけていく事が大切です。
療育のポイント
沢山の方法を試して、試行錯誤して、そうやって母親は強くなり、子供はそれを見てきっと良いように成長してくれます。
何事もあきらめない事が重要で、経験から言えるのは、毎日決まった時間に決まった事をこなす!と思うより、日々の生活の中に自然に取り入れるとお互いに苦にならずに出来ます。

無理はお互いによくありません。
例えば
ぴのちゃんはまず模範動作(真似っこ)の訓練を日々行っているのですが、ご飯食べれたら「タッチ」って声をかけて、手と手を合わせる。
少し余裕がありそうなら、両手を頭に乗せる動作を見せて真似を促す。という流れで行っています。
これだけでも日々の療育になります。
私は性格上、毎日コツコツする事がとても苦手です。
日常の当たり前(例えば歯磨きなど)の後に取り入れる事で何とか出来ています。
このように無理せず、楽しくやる事が療育のコツだと思います。
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自閉症児を育てるお母さんへ

子育てで、一番大変なのは母親です。
家事に仕事に育児に、忙しすぎて「家庭での療育訓練」の時間なんてそんなに長く取れません。
私も今は取れて5分です。もっと短い時も・・
ぴのちゃんもまだまだ集中力が持たないので、それが精いっぱいです。

何十分かけないと早く良くならない!とか思い込みすぎないようにして下さい。
そして兄弟がいたら、先にお兄ちゃんやお姉ちゃんを優先してあげて下さい。
私もそれはなるべく気を付けているのですが、ぴのちゃんを先に構うと傷つけてしまう事があります。

きょうだい児には、普段たくさん我慢させているので、いっぱいいっぱい愛情をかけてあげて下さい。
本人の気持ちに寄り添う

自閉症児にとって、泣く、多動、暴れるなどの行動すべてはコミュニケーション手段です。
自分の気持ちをうまく表現できずにとってしまう行動です。
そんな時に母親が世間の目に負けて叱ってしまったら、その時子どもに寄り添ってくれる味方は誰も居なくなってしまいます。

まず母親も自分を責めないこと。
そしてお子さんが困った行動をし始めたら、気持ちを切り替える次の手段を何通りか提供して、彼らの気持ちの切り替えがなるべく早くできるように促してあげましょう。
その流れも何度も経験するうちに親子で出来上がっていきます。

自分に寄り添ってくれるという気持ちも彼らは記憶していきます。
気持ちの切り替えが上手にできたときはたくさん褒めてあげて下さい。
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しつけ不足ではない
幼少期は言葉が遅い・多動・落ち着きがないなど健常の子どもとの違いが目に付く場面にて「親がきちんとしつけが出来ていないのでは」という世間の目を感じてしまうこともあると思います。

健常な側から見れば枠に外れた自閉症児の行動も、彼らにとってはその中の世界での表現です。
決してしつけが出来ていないわけではなく、自閉症の特性なのです。
その子を守ってあげるのは親しかいません。
その子を理解してもらうためにしっかり説明をしていく事も大切な役割です。
最後に
佐々木正美さんという、児童精神科医がいます。
様々な本を書かれており、沢山読ませているのですが、その中にそうだなと思う言葉がありました。
私もこの言葉には何度か救われており、出来ない事ばかり目を向けていた時期にこの言葉に出会いました。
それからは、子どもの良いところばかりを見つけ、気づき褒めてあげる事で、一緒に楽しく成長出来ている実感がします。
誰しも、自分を責めたり、子どもを責めたりしたくなる時期があります。
でもそれは実は間違いと分かっていても、心の余裕が無いと出来ない事でもあります。
子どもはまだまだこれから成長していきます。
子どもの未来のためにできる事を1歩ずつ一緒に歩んでいけたらそれで良いと私は思います。